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リリース

ペプチド医薬品受託製造事業を展開
<積水メディカルとJITSUBO、共同開発契約を締結>

2011年3月2日
積水メディカル株式会社
JITSUBO株式会社

積水メディカル株式会社(代表取締役社長:福田 睦、以下「積水メディカル」)とJITSUBO株式会社(代表取締役:永野 富郎、以下「JITSUBO」)は、ペプチド医薬品製造事業の拡大を図るため、昨年12月に共同開発契約を締結し、JITSUBOが世界に先駆けて開発したMolecular HivingTM技術(以下MH技術)を応用した「製造管理および品質管理に関する基準(GMP)」に準拠したペプチド製造法を事業化するための共同開発を開始いたしました。
MH技術は、JITSUBOが特許を保有するペプチドの新しい液相合成法です。従来のペプチド合成技術には、固相ペプチド合成法(SPPS)と液相ペプチド合成法(LPPS)がありますが、一般的にSPPSは合成コストが高く、少量生産向き、一方、LPPSは大量生産に汎用されていますが、長鎖のペプチド合成を苦手としています。MH技術は、従来技術より原材料コストの低減が可能で、またアミノ酸を結合するプロセスに固液分離を用いることで精製の簡便化が図れ、GMP製造への適応が容易となることから、医薬品開発において初期の少量生産から工業生産まで一貫して適用できる実用性の高い合成技術です。
今後、積水メディカルでは3月2~4日に開催のAsia TIDES、4月18~20日開催のCPhIジャパンなどへ出展して本技術を紹介してまいります。

参考資料

1.会社概要

1)積水メディカル株式会社

代表者 福田 睦
本社所在地 東京都中央区日本橋三丁目13番5号
事業内容 検査薬事業、検査用具事業、医薬事業、薬物動態事業
資本金 12億75百万円〔2010年3月31日現在〕
積水メディカルは、医薬品および治験薬原体の製造において豊富な経験があり、なかでも医薬用アミノ酸に関する50年以上の製造経験を基にD-アミノ酸、非天然アミノ酸などの特殊アミノ酸では世界有数の生産量を誇ります。また、アミノ酸を化学的に結合させた種々のペプチド医薬品原体および中間体も製造しております。

2)JITSUBO株式会社

代表者 永野 富郎
本社所在地 東京都小金井市中町二丁目24番16号
事業内容 ペプチド合成事業
資本金 60百万円〔2010年3月31日現在〕
JITSUBOは、東京農工大学連合大学院 千葉一裕教授らの研究成果の実用化を行う東京農工大発ベンチャー企業として2005年4月の設立以来、ペプチド類縁化合物の効率的な合成・分離技術の開発を進め、新規ペプチド合成技術:Molecular HivingTM技術を開発致しました。
2. 用語説明
1)ペプチド医薬品
バイオ医薬品開発が進む中、蛋白質のアミノ酸配列のうち、ごく一部の配列(ペプチド部位)が生理活性を担っていることが再認識されてきた。ペプチドは、蛋白質に比べて分子量がはるかに小さく有機合成が可能であること、また構造活性相関も容易に比較できるという期待から、次世代の医薬品として注目を集めている。
ペプチド医薬品は、複数のアミノ酸が結合した構造を持つ。多くはアミノ酸の数(残基数)5~50個から成る(5mer~50merと表記)。その製造法としては、一般的に20merまでのペプチドでは、固相ペプチド合成法(Solid Phase Peptide Synthesis、以下SPPS)、液相ペプチド合成法(Liquid Phase Peptide Synthesis、以下LPPS)などの有機合成法で製造され、50mer以上のペプチドでは、培養法が採用される。20-50merは、有機合成法か培養法のいずれかが選択される。例えば、糖尿病治療でよく知られるインスリンは51merで、培養法で生産後、多くの分離プロセスを経て精製後、医薬品原薬となり製剤化される。
2)ペプチド合成法
ペプチド合成法はSPPSとLPPSに大別される。1984年のノーベル賞受賞者メリフィールドが開発したSPPSは、自動化が容易なことから、ペプチド合成機という形で市販され、ペプチド製造法の主流となっている。しかし、SPPSは縮合剤や保護アミノ酸などの試薬を過剰(一般には2.0当量)使用することから高コストであり、また反応容器でバッチサイズが決定してしまうことから、大量生産に向いている訳ではない。一方、LPPSは古典的な方法であるものの工程毎に反応条件の最適化が可能であり、大量生産が容易であることから、GMP製造に適している。しかし一般にLPPSでは残基数5個(5mer)以上のペプチドの製造において、生成物(保護ペプチド、脱保護ペプチド)が結晶化しにくく、工程毎の固液分離、精製が困難であることが課題となっている。またペプチドの構成成分であるアミノ酸の側鎖を自在に構造変換させるペプチド修飾技術はこれまで確立されていなかった。
3)MH技術
JITSUBOが保有する新規ペプチド製造技術、Molecular HivingTM技術の略。アミノ酸のカルボキシル基(C末端)にTagと呼ばれるエステル型保護基を導入することで、アミノ酸を1個ずつ縮合する製造プロセスの工程毎にTag-ペプチドを固液分離(下段説明参照)することが容易となります。これにより高品質の医薬品製造に欠かせない分離精製プロセスを製造工程に組み込むことが可能となります。また、Tag-ペプチドは、Tagをはずすことなく工程分析が可能であり、SPPS(固相ペプチド合成法)に比べ、より医薬品の製造工程における品質管理が容易となる。
4)固液分離
医薬品製造において、高純度、高品質製品の提供に繋がる分離精製は、極めて重要である。高温下化合物を溶媒に溶解させた溶液を徐々に冷却させた際、温度低下に伴い結晶が析出する現象や、溶液に溶解度を下げる溶媒(貧溶媒という)を加えることで析出する現象を利用して、析出した結晶と溶液とを濾過することで分離する方法。医薬品の製造プロセスでは、不純物、夾雑物を除去する方法としてよく用いられる。
5)特殊アミノ酸
一般に、天然型アミノ酸として20種が知られるが、そのうち人の体内で作ることが出来ないアミノ酸は8種ありこれを必須アミノ酸と呼ぶ。これらのアミノ酸のほとんどは光学活性を持ち、L-アミノ酸と呼ばれている。特殊アミノ酸は、上記20種以外の化学構造を持つ非天然型アミノ酸と天然に存在するL-アミノ酸と逆の光学活性を持つD-アミノ酸から成るアミノ酸類の総称。これらは、医薬品の骨格に組み込まれることで、その生理活性を持続させたり立体構造を改変して生理活性を高める目的に使用されている。
本件についてのお問い合わせ先
積水メディカル株式会社 総務人事部 総務グループ TEL03-3272-0672
JITSUBO株式会社 事業開発部 TEL042-401-1721
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