検査事業DIAGNOSTICS BUSINESS
積水メディカルを代表する主力事業
臨床検査薬・検査用具・分析装置の開発、製造、販売を行う当社の主力事業です。「生化学・免疫」、「血液凝固」「糖尿病」「POCT」「新領域進出」の5つを重点領域と位置づけ、臨床検査薬・検査用具・分析装置の開発、製造、販売を行い、主に病院の検査室や検査センターに提供しています。
例えば、皆さんが健康診断などで血液検査を受けた際、その測定に用いられる試薬も検査薬の一つです。近年、国は「治療」から「予防」へと医療の重点を移しており、当社の検査薬は、病気の早期発見・予防という点で役立てられていると言えるでしょう。当社では様々な種類の検査薬を扱っていますが、中でもコレステロール測定試薬は世界トップシェアを誇る製品となっています。
ノウハウと技術力を活かしニーズに応える
近年では様々な検査ニーズに応えるため、次世代技術を応用した製品をグローバルマーケットに供給しています。例えば、テーラーメード医療に不可欠な遺伝子診断キット。同じ「ヒト」であっても一人ひとりのゲノムの配列はわずかに異なっており、これは「遺伝子多型」と呼ばれています。ある薬物代謝酵素をコードする遺伝子に特定の配列を持つ人では、ある種の抗がん剤が投与された際に重篤な副作用が引き起こされることが分かっています。この副作用を的確に回避するため、当社は国内で初めてとなるヒト遺伝子多型判定検査薬を開発しました。
また、採血用の「プラスチック製真空採血管」も世界の病院や検査センターで使われています。今でこそ当たり前に使われるようになった製品ですが、これは当社が1985年に世界で初めて実用化したものです。素材をプラスチックに替えることにより、ガラス製採血管での破損事故撲滅、検査時間の短縮や検査値精度の向上に貢献してきました。
この他にも、ウイルス感染の特異的高感度診断や血液の凝固線溶分野で先端技術を応用した製品を開発してきており、これら最先端の製品を武器に、グローバルマーケットへの進出を積極的に進めています。
解説レポートMANUAL REPORT
臨床検査ってなに?
臨床検査は身体の状態を知るために行われる検査で、大きく2つに分けられます。
1つは、患者さんから採取した血液や、尿、便、細胞などを調べる「検体検査」。
もう1つは、心電図や脳波など患者さんの身体を直接調べる「生理検査」です。
臨床検査を行うことによって、疾患の予防、診断、病態の解析・把握、治療(看護も含む)方針の決定、疾患の経過・予後の判定などの医療行為に必要な情報を収集します。
臨床検査の市場は?
近年、臨床検査の市場は伸び続けています。
この背景としては、
①医薬技術の進歩により検査の重要性が増してきた
②高齢化が進み、健康の維持に高い関心が寄せられている
③厚生労働省によってメタボ健診の義務化や、がん検診が推進されている
上記3つが挙げられます。
下のグラフは、臨床検査に関する製品の売上高を示したものです。「体外診断薬」とは臨床検査薬の正式名称で、臨床検査に使われる試薬などのこと。
当社では、臨床検査薬と自動分析装置の両方を扱っているため、そのセット販売を推進しています。これによって一貫したサポートが可能となり、検査室の効率化やコストダウンなど、検査室全体のコンサルティングも可能になります。