LDL-コレステロールキット

コレステスト® LDL

当ページは医療関係者のみなさまを
対象として作成しております。

※ご使用に際しては添付文書をよくお読みください。

積水メディカル株式会社が製造販売するLDL-コレステロール直接法 試薬「コレステスト® LDL」は国際標準法である超遠心法(Beta- Qantification;BQ)に一致する様に設計されています。

測定結果判定法

  1. 1.脂質異常症診断基準

    高LDL-コレステロール血症:140mg/dL以上
    (動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007度版)

  2. 2.測定上の注意事項

    検体により検体中の目的成分以外の物質との交叉反応や妨害反応を生じる ことがあります。
    特に肝胆道閉塞症などで脂質代謝異常が疑われる場合、異常リポ蛋白の影響 により、正しい測定結果が得られないことがあります。
    測定結果に疑問がある場合は、再検査や希釈再検査、あるいは他の検査や肝機能検査などの検査結果を確認し、総合的に判断してください。

CDC/CRMLNによる脂質標準化プログラムについて

本プログラムは、世界中の試薬メーカーと臨床検査室を対象とした脂質測定に係わる標準化(認証)システムです。
正確度と精密度を中心とした測定精度が検証され、判定基準を満たした場合、精度保証の証しとなる認証書が発行されます。

CDC:
米国疾病管理センター
CRMLN:
世界7ヶ国(9施設)の国際脂質標準化のネットワーク

LDL-コレステロール直接法試薬「コレステスト® LDL」はCDCの国際脂質標準化ネットワーク(CDC/CRMLN)による認証を4期続けて取得しております。

認証取得年
2002年,2004年,2006年,2008年

LDL-コレステロール値の定義と測定の意義

LDL-コレステロール測定法について

臨床検査分野におけるLDL-コレステロール測定の国際標準法は、米国疾病管理センター(CDC)による超遠心法(Bata-Quantification;BQ)です。これは、血漿をそのまま超遠心して密度(比重)1.006g/mL以下の分画(VLDL)を除き、残りの部分の総コレステロール値とHDL-コレステロール値(沈殿法※1による)で測定してその差からLDL-コレステロール値を求めるものです。これがいわば臨床検査上のLDL-コレステロール値の定義になります。

  1. ※1ヘパリン-マンガン法+アベルケンダール法

LDL-コレステロールを測定する意味

動脈硬化巣の初期病変であるプラークの内部にはコレステロールが沈着していますが、このコレステロールはLDLに由来するものであることが判明しています。また、LDL-コレステロールを低下させることで動脈硬化性疾患が減少することも確認されています。このように動脈硬化に密接に関係しているコレステロールは、LDLに含まれるコレステロールなのです。したがって、動脈硬化を予防するためには、総コレステロールよりもLDL-コレステロールに注目しなければなりません。特に、日本人は、総コレステロール値が高値であってもHDL-コレステロール値も高値であるため、LDL-コレステロール値が正常である人が多く認められます。本来、治療は必要でないこのような人たちを鑑別するためにも、LDL-コレステロールに注目する必要があるわけです。

動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症治療ガイド 2008年版より

各高脂血症の脂質検査値比較

LDL-コレステロール直接法(コレステスト® LDL)の測定値と総コレステロール、中性脂肪との関係について-高脂血症分類より-

各高脂血症の脂質検査値比較

型(Type) I型 IIa型 IIb型 III型 IV型 V型
増加するリポ蛋白 カイロミクロン LDL LDL、VLDL IDL
(レムナント)
VLDL VLDL
カイミクロン
総コレステロール →または↑ ↑~↑↑↑ ↑~↑↑ ↑↑ →または↑
中性脂肪 ↑↑↑ ↑↑ ↑↑ ↑↑ ↑↑↑
コレステスト® LDL →または↓
フリードワルド計算式
LDL
適用不可 -
適用不可
(偽高値)
→または
一部適用不可
適用不可
コレステスト® N HDL →または↓
4℃、一夜放置後の血清外観

フリードワルド計算式 LDL-C=T-CHO-HDL-C-(TG/5)

測定結果に関する留意事項

LDL-コレステロール直接法(コレステスト® LDL)による測定結果に関する留意事項

  1. 1.異常リポ蛋白であるLpX、LpYが増加する閉塞性黄疸などでは、超遠心法に比べ、本法はフリードワルド計算値と同様、高値を示します。
  2. 2.IDL、レムナントが増加するIII型高脂血症、糖尿病、腎不全、高HDL-コレステロール血症(HDL-コレステロール値100mg/dL以上)などでは、総コレステロール値、フリードワルド計算値に比較して本法で低値を示します。
  3. 3.中性脂肪が1,500mg/dLを超える検体では、試薬の反応が妨害を受けて正確に測定されない可能性があります。生理食塩水で希釈して測定することをお勧めします。

事例1.、事例2.

事例1:肝障害(原発性胆汁性肝硬変症:リン脂質が高値)

mg/dL

検査項目 LDL-C
直接法※2
LDL-C
フリードワルド計算値
総コレステロール HDL-C 中性脂肪 T-BiL リン脂質
測定値 565 605 700 14 403 11 1106

詳細な脂質分析の結果、異常なリポ蛋白(LpX)が確認されました。
本法によるLDL-コレステロールは、フリードワルド計算値同様、高値を示します。

事例2:III型高脂血症 (総コレステロールと中性脂肪がともに高値)

mg/dL

検査項目 LDL-C
直接法※2
LDL-C
超遠心法※3
LDL-C
フリードワルド計算値
総コレステロール HDL-C 中性脂肪
測定値 72 74 181 284 43 297

詳細な脂質分析(アポEフェノタイプ)によりIII型高脂血症と判定されました。
レムナントの代謝が遅延して増加し、LDL-コレステロールは低値となります。
また、フリードワルド計算式では、III型高脂血症は適用不可1)となっています。

食餌の影響について

LDL-コレステロール直接法(コレステスト® LDL)の食餌の影響について

フリードワルドLDL-C
LDL-C直接法※2

菅野 剛史 他 医学と薬学 37,635,1997より抜粋

LDL-コレステロール直接法は食後の経時的な変動は認められませんでしたが、フリードワルド計算値では中性脂肪の変動に起因すると考えられる変動が認められました。

  1. ※2コレステスト® LDL(製造販売元 積水メディカル(株))
  2. ※3微量超遠心法(積水メディカル法)

FAQ(よくある質問)

  1. Q1.総コレステロールに比べ、LDL-コレステロールが低すぎるのですが?
  2. A1.HDL-コレステロールが高いか、HDLでもLDLでもないリポ蛋白のコレステロール※4が高い場合、このような可能性があります。
    1. ※4VLDLのように中性脂肪を多く含むリポ蛋白中のコレステロールです。
  3. Q2.中性脂肪が400mg/dL未満なのにLDLフリードワルド計算値と一致しないのはなぜですか?
  4. A2.一つは、食餌による影響が考えられます。フリードワルド計算値は中性脂肪の値を使って計算しますので、食後の中性脂肪の影響で、直接法よりも低くなります。
    もう一つは、IDL(レムナント)が増加したIII型高脂血症や糖尿病などです。
    フリードワルド計算式の制限※6
    1. 1.カイロミクロンを含む検体には使用できない。
    2. 2.III型高脂血症では、誤った高値を与える可能性がある。
      (β-VLDLとIDLが存在する)
    3. 3.中性脂肪400mg/dLを超える場合には正しい値が得られない。
    フリードワルド計算式 LDL-C=T-CHO-HDL-C-(TG/5)
  5. Q3.交叉反応を示すリポ蛋白は何ですか?
  6. A3.LpX、LpYといった異常リポ蛋白です。コレステストLDLはこれらの異常リポ蛋白を測りこみ、高値となる場合があります。
    LpX:
    閉塞性黄疸やLCAT欠損症などで出現することがあります。
    遊離コレステロールとリン脂質(レシチン)の含有量が多いことが特徴です。
    LpY:
    閉塞性黄疸や閉塞を伴う肝疾患及び肝不全の患者血清中にしばしば出現します。中性脂肪や遊離コレステロールに富んでいます。
  1. ※6Estimation of the Concentration of Low-Density Lipoprotein Cholesterol in Plasma, Without Use of the Preparative Ultracentrifuge. Clin Chem 18:499-502,1972

参考資料:症例集

当ページは、当社製品を適正にご使用いただくため、国内の医療関係者(医師、歯科医師、薬剤師、臨床検査技師、看護師など)のみなさまを対象に作成したものです。国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。