サステナビリティ
積水メディカルでは、持続可能な成長を実現するため、積水化学グループビジョンに沿って、サステナビリティ活動に取り組み、自らのビジネスの品質も高めるとともに、社会的な責任を果たし、価値を提供しています。
積水化学グループは、グループビジョンで
「地球環境の向上」と
「世界のひとびとのくらしの向上」を
掲げています。
これは2015年に国連で提唱された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals=SDGs)に挙げられている課題解決に対して、本業である事業を通じて貢献していくことにほかなりません。社会課題解決のために、事業活動と一体化したサステナビリティへのさまざまな取り組みを進めています。
積水メディカルの主な取り組み
地球環境のために
積水メディカル環境憲章
私たちは、「環境」を基軸に持続的に成長する「環境創造型企業」を目指します。そのために、
- 1一人ひとりが、仕事の中で環境に配慮した活動を行います。
- 2一人ひとりが、自宅や地域社会においても環境に良いことに取り組みます。
脱炭素社会実現に向けて
積水メディカルでは、脱炭素化に向けて、2012年に重油からLNGへのエネルギー転換や太陽光などの再生可能エネルギー(太陽光発電)への切り替え、使用電力エネルギーの排出CO2ゼロ化推進など、本社、工場を含め、全社的に取り組みを進めています。温室効果ガス(GHG)排出量の削減対策として、購入電力の再生可能エネルギーへの切換えに積極的に取り組んでいます。また、創エネルギー設備としてつくば工場に太陽光パネルを設置しました。
さらに、2030年のGHG排出量の削減目標を2019年BM50%削減と設定し、電力、燃料消費の削減、創エネルギー設備の導入などに取り組んでいます。
また、事業遂行に起因した、環境法令違反や環境インシデントを未然に防止するため、当社環境担当の知識やノウハウ向上を目的にELL(Environment Legal Leader)認定制度を設立し、各事業所に配置しています。
環境保全に向けて
- つくば工場
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つくば工場は、茨城県龍ケ崎市のつくばの里工業団地にあり、体外診断用医薬品および研究用試薬の製造をしています。つくば工場では、再生可能エネルギーの活用や、在来植物種の育成、外来植物種の抜去など、環境に配慮した取り組みを行っています。また2011年9月にはISO14001環境マネジメントシステムを認証取得(審査登録)し、環境保全活動に取り組んでいます。
- 阿見事業場
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阿見事業場は、茨城県稲敷郡阿見町の福田工業団地にあり、体外診断用医薬品および研究用試薬の製造を行っています。阿見事業場では、製造設備の省エネ運転、廃棄物の分別処理、美化運動の実施などにより環境に配慮した取り組みを行っています。また、2006年5月にはISO14001環境マネジメントシステムを認証取得(審査登録)し、環境保全活動に取り組んでいます。
- 徳山工場
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徳山工場は山口県周南市の周南コンビナートにあり、真空採血管や糖尿病診断用カラム、溶離液などを製造しています。徳山工場では、廃棄物の減量化を図るとともに2000年より周南市の保有林を借用し、従業員が中心となり森林整備を実施しています。また2000年3月にはISO14001環境マネジメントシステム認証取得(審査登録)し、環境保全活動に取り組んでいます。
- 岩手工場
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岩手工場は、十和田八幡平国立公園の山々が展望できる、自然美あふれる工場で、医薬品原料などの製造を行っています。岩手工場では、再生可能エネルギーの活用、LNGボイラーの設置、排水処理システムによるメタンガスの有効活用など、環境に配慮し、かけがえのない自然環境との共生を図っています。また2001年2月には、ISO14001環境マネジメントシステムを認証取得(審査登録)し、環境保全活動に取り組んでいます。
- 創薬支援センター
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創薬支援センターは、茨城県那珂郡東海村にあり、医薬品の安全性に関する試験を行っています。創薬支援センターでは、LNGボイラーの設置、再生可能エネルギーの活用、廃棄物の分別処理、コピー用紙使用量削減、美化運動の実施など、環境に配慮した取り組みを行っています。また、2011年よりEA21の認証を受けており、現在はさらにISO14001認証取得を目指しています。
豊かで安心な暮らしのために
真空管採血管と検査薬システム
プラスチック製真空採血管を世界で初めて実用化し、検査中の破損事故防止に寄与してきました。検査機器との併用で、採血→検査→結果を検査システムとして一貫することで、早く原因を確認し治療に役立てることが可能になり、医療の効率化で病気の早期発見に貢献しています。
人材「挑戦の風土づくり」のために
人材育成
積水化学グループは、「従業員は社会からお預かりした貴重な財産である」という考え方に基づき、従業員が活き活きと働くことができる環境づくりに取り組むとともに、一人ひとりが自分の“得意技”を磨き、挑戦を通じて成長していくことを支援するさまざまな機会を提供します。
積水メディカルでは、グループビジョンである「健康で、サステナブルな社会の実現」のために大事にしているValues(価値観)の一つに「カスタマー・フォーカス」を掲げています。2021年から、「カスタマー・フォーカスプロジェクト」を立ち上げ、会社全体が、部門最適ではなく、顧客最適の視点で活動できる姿を目指し、全社横断してさまざまな施策に取り組んでいます。営業現場と他現場とのディスカッションや、営業や製造現場での実習、期間を限定した他部署への派遣などを通じて、顧客志向の定着はもちろん、社会課題解決への貢献を、肌身をもって感じてもらえるような活動を進めています。
エンゲージメント向上
積水化学グループでは、全従業員を対象に定期的にエンゲージメント調査を実施しています。積水化学グループの長期ビジョン「Vision 2030」の達成において、ビジョンに共感し挑戦しつづけることや、一人ひとりが常に主役である気持ちと期待以上の成果を出すまで諦めずに頑張る姿勢、すなわちエンゲージメントは非常に重要なものと位置づけています。
社会貢献活動の推進
次世代への教育
行動指針のひとつである社会貢献活動の一環として、2016年度から2019年度は、工場・研究所がある茨城県龍ケ崎市の中学校で「理科教室」を実施しました。2020年度は、新型コロナウイルスの影響で、出張授業実施の見通しが不透明であることと中学校側の教育課程における職場体験の見送りを背景に、キャリア教育オンライン特別授業「未来を拓く 研究開発・製造の仕事」を開発・実施。このプログラムでは、当社の従業員が講師となり、自身の仕事における「意思」「役割」「能力」を生徒に紹介することで、生徒が働くことや将来について考える機会を提供しました。
貢献しつづけるちから
社会課題解決への貢献を実践するためには、貢献を続けるための持続経営力が重要になります。「持続経営力」を向上させるために、CS品質向上・コンプライアンスの徹底によりリスクを抑え、重大なインシデント(安全、品質、経理、法務・倫理、情報管理)の発生回避を図ります。
積水メディカルCS経営品質方針
私たちは、「CS(Customer Satisfaction)品質」を経営の基軸と定め、全ての事業活動において、モノの品質革新に徹底的にこだわり、お客様の期待に応える価値(商品・サービス)を常にお届けし、お客様に継続的に当社を選択していただき、お客様とともに長期的に発展、成長し続けることを目指します。
各事業における品質への取り組み
- 検査事業
- つくば工場において、医療機器・体外診断用医薬品QMS省令に基づき、品質マネジメントシステムを構築して、高品質な製品を世界中に供給しています。また、ISO9001認証(2004年3月)、ISO13485認証(2005年3月)を維持し、2017年には新たな製造所として、つくば工場に阿見事業場を加え、ISO9001:2015及びISO13485:2016へのバージョンアップを完了しています。
徳山工場においても、ISO13485認証(2005年4月)による同様の品質マネジメントシステムを構築しています。
- 医薬事業
- 岩手工場において、医薬品・医薬部外品GMP省令に基づき、原薬、医薬品中間体、食品添加物を中心とする高品質な化学品を製造しています。原薬は日本のほか、米国FDA やEUなどの公的機関に登録され、グローバル市場に向けて出荷されています。
- 創薬支援事業
- 創薬支援センターにおいて、医薬品の安全性に関する非臨床の実施の基準(GLP省令)に基づき、医薬品の安全性に関する非臨床試験を実施し、医薬品医療機器総合機構調査 TK測定 評価結果・適合(2021年4月)の評価を受けており、国内外の製薬企業が行う新薬開発に貢献しています。
健全な品質文化の育成に向けた取り組み
私たちは品質を重視し、品質に基づく事業活動を行う健全な文化の育成に特化したプログラムを立上げ、グローバルレベルでの品質文化育成、向上に取り組んでいます。私たちは品質文化が私たちの会社、私たちの提供する製品やサービスの品質に大きく影響する重要な要素であると強く認識しています。積水メディカルの日本・北米・欧州・アジアのグループ会社は、共通の意思を持った品質文化宣言を制定し、経営者と従業員が共に品質文化のレベル向上を目指しています。
- 品質文化宣言
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- 1私たちは品質について考えます。
- 2私たちは品質に基づいて判断します。
- 3私たちは品質のために行動します。
私たちは品質保証に関するさまざまな法規制を順守し、提供する製商品、サービスの品質をより高めるために、私たちの持つ品質文化をより健全なものとする活動を推進しています。
法務・コンプライアンス
私たちは、企業行動指針に定める行動指針の精神をふまえ、あらゆる企業活動において法およびその精神を遵守し誠実に行動することで、コンプライアンスを通じて社会から高い信頼を獲得する姿勢を明確にしてきました。私たちは、コンプライアンス意識の向上に今後も取り組んでいきます。
コンプライアンス意識の浸透
コンプライアンスの意識を従業員一人ひとりに根付かせるため、積水化学グループの一員として遵守すべきことを記載した、「コンプライアンス・マニュアル」や、携帯用の「コンプライアンス・カード」を作成し、全従業員に配布しています。コンプライアンス・マニュアルには、汚職・賄賂の禁止、人権尊重と差別の禁止、情報の管理と保護、独占禁止法の遵守、インサイダー取引の禁止、地球環境の保全や労働関係法規の遵守、社内通報制度などの内容が掲載され、全従業員へ周知徹底しています。
コンプライアンス教育
コンプライアンス経営の実践につながる取り組みの一環として、従業員のコンプライアンス教育にも力を入れています。新入社員研修や階層別研修などにコンプライアンスに関する内容を盛り込み、コンプライアンスに特化したe-ラーニングも実施しています。2022年度には、オンラインによる「コンプライアンス研修」「ハラスメント研修」「プロモーションコード研修」「情報管理研修」「下請法研修」などを実施し、すべての従業員がコンプライアンスの大切さについて学ぶ機会を継続的に提供しています。
会計コンプライアンス強化の取り組み
積水化学グループでは、財務・会計に関するリスクを削減するため、全社的な会計スキル・財務知識の向上に取り組んでいます。
オンラインによる「印紙税研修」「原価研修」「財務諸表研修」「経費精算システム研修」、e-ラーニングより会計スキル・財務知識に関する教育も実施しており、誤った会計処理や会計不正が発生するのを防ぐとともに、経理業務に携わる部門だけでなく全従業員のコンプライアンス意識向上を図っています。