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J-LITに学ぼう

一次予防コホートにおける試験期間平均血清脂質値と冠動脈イベントの相対危険度

p<0.05 **p<0.01 ***p,0.001
vs基準群 性、登録時年齢、高血圧、糖尿病、喫煙習慣で補正
冠動脈イベント:心筋梗塞(致死性・非致死性)、突然心臓死
(監修:国立健康・栄養研究所 名誉所員 板倉弘重先生)

J-LITとは

J-LIT(Japan Lipid Intervention Trial)は、日本でこれまでに類をみない大規模臨床介入試験です。1992年より登録を開始し、日本全国約5万例の高コレステロール血症患者を対象に、一般診療の場で6年間前向きに調査を行い、1999年観察期間が終了しました。日本人においても、高脂血症とくに高コレステロール血症が冠動脈イベントのリスクを有意に高めることが示されました。とくに日本人においてはLDL-Cの高値と同様に、HDL-C低値がイベント発症に重要な意味を持つことが示されました。また、マルチプルリスク対策の重要性もあわせて示されました。以下に示すデータは、一次予防例における血清脂質の変化と冠動脈イベントの解析結果です。

血清脂質と冠動脈イベント

LDL-C値

120-139mg/dl群の冠動脈イベントの相対危険度を1とすると、160-179mg/dl群で2.59、180mg/dl以上群で5.71と有意な相対危険度の上昇が認められました。イベント発症頻度で見ると、160-179mg/dlでは年間1.4人/1,000人であるのに対し、180mg/dl以上では2.9人/1,000人となり、急激にイベントのリスクが高まることが明らかになりました。

HDL-C値

40-49mg/dl群の冠動脈イベントの相対危険度を1とすると、40mg/dl未満群で冠動脈イベントの相対危険度が1.45と有意に高いことが示されました。一方、50-59mg/dlおよび60mg/dl以上群では危険度がそれぞれ0.63、0.30と有意に低下しており、HDL-Cが高ければ高いほど、イベント発生のリスクが低下することが示されました。

TC値

200-219mg/dl群の冠動脈イベントの相対危険度を1とすると、240-259mg/dl群で2.63、260mg/dl以上群で4.03と有意な相対危険度の上昇が認められました。

TG値

150mg/dl未満群の冠動脈イベントの相対危険度を1とすると、300mg/dl群で2.16と危険度が有意に高くなっており、高TG血症が冠動脈イベントのリスクとなる可能性がJ-LITにおいても確認されました。

血清脂質と冠動脈イベントの男女別線形回帰分析:高血圧(-)、糖尿病(-)、喫煙(-)の一次予防の平均的モデル

各脂質の改善によるイベント率の低下率は、高血圧・糖尿病・喫煙習慣のないケースを想定した場合、以下の事実が明らかとなりました。

  1. (1)LDL-C値 1mg/dlの低下で冠動脈イベントの発症率は1.7%低下する
  2. (2)HDL-C値 1mg/dlの増加で冠動脈イベントの発症率は3.4%低下する

冠動脈イベント発症の危険度軽減という意味において、LDL-CとHDL-Cとは相反する関係にあり、これらにVLDL-Cを加えた総和であるTC値は、イベントの相対危険度を判断する際には必ずしも最適な指標とは言えません。やはり、LDL-C値およびHDL-C値を個々に直接測定し、とくにLDL-Cの値に着目しながら「動脈硬化性疾患診療ガイドライン2002」に従った診療を行うのが望ましいでしょう。

The Lipid Vol.14 No.3 2003.6より抜粋

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