ストーリー

患者さんに安全・安心な薬を早く届けるために

医療ニーズが多様化し、さまざまな治療法が求められる昨今において、薬に求められる役割も非常に大きく、多様になってきました。日々、疾患と闘う患者さんのために、安全・安心な薬を早急に届けることが求められています。

新薬開発の基盤を構築する

医療の進化に伴って医療ニーズも多様化し、あらゆる疾患への対応が求められるようになりました。
その中で患者さんが“薬”に求める役割・期待も膨らんできました。疾患に「待った」はなく、日々変化し続けるため、製薬会社や私たちが作り出す薬が患者さんには欠かせません。そこには、命を守る薬だからこそ、絶対の安全・安心と少しでも早く提供するためのスピードが常に求められています。また、これまでの薬では治療できなかった疾患にも対応するための新しい効能を持った薬の開発も社会から強く求められています。私たちは、この医薬品の領域で医薬品製造受託機関(CMO)として、薬の素となる原薬や臨床試験用の治験薬製造を行い、新たな薬を生み出すための基盤を支えています。

医薬品製造受託(CMO)の流れと積水メディカルの領域

医薬品製造受託(CMO)とは?

薬の開発工程とCMOの役割

医薬品製造受託機関(Contract Manufacturing Organization)は製薬企業から医薬品(治験薬・市販薬を含む)の製造を受託・代行する企業のことで、新薬開発に莫大な費用がかかる製薬会社が創薬や臨床開発に経営資源を集中するために、製造の工程を外部に委託することを指します。医薬品を製造するためには、GMPと呼ばれる製造規範をクリアする品質や設備を持っていなければなりません。

製薬会社の開発を支援し、新薬誕生の可能性を高める

当社の医薬品開発の起源は長年培われてきたアミノ酸合成と光学活性化合物の製造技術にあります。この技術を生かして原薬製造へ事業を転換し、医薬品開発の貢献範囲を拡大してきました。現在では、医薬品の有効成分である原薬(API)、医薬中間体の受託製造を展開。CMOとして新しい薬が早くかつ安全に患者さんへ届くように、製造の側面から薬の開発を支援し、さらに患者さんの疾患治癒、QOLの向上に貢献しています。

絶対の安全を守り、確実に早く届ける

私たちのビジネスの先にはたくさんの患者さんが薬を待っています。製薬会社とタッグを組み、一日でも早く、新しい薬を上市させ、患者さんの健康の実現のために取り組んでいます。そのためには、私たちが製造する原薬、医薬中間体には絶対的な安全性と高い品質を担保することが欠かせません。これらを実現するため、各国の法規制をクリアするとともに、GMPによる製造方法・品質管理などを厳格に守りグローバルな査察や監査もクリアして、製造を行っています。
さらに、品質担保を確実にするため、国内でもトップクラスのデータインテグリティシステムを構築しており、適切なコンピューターシステムバリデーションを実施済みの各種分析機器を保有。各種原薬・中間体の品質管理に活用しています。これらの電子的な記録については、設定された保存期間において、正確で完全な記録の保護・アクセス性を保証し、常に高い品質と安全性を提供できる体制を整えています。

あらゆるニーズに応え、患者さんへの価値を最大化する

医療ニーズが多様化する中でさまざまな疾患に対応するために、医薬品開発では新たな効能を持った薬の開発はもちろんのこと、そのような新しい薬を研究開発から上市、患者さんに届けるまで、どれだけ時間を短縮することができるかが重要視されています。
そのため、CMOには製薬会社の開発計画に沿って、タイムリーに開発や生産を行える対応能力が求められています。私たちは、お客様のあらゆる要望に可能な限り応えるため、多くの開発・製造スタッフをかかえ、さまざまな設備を保有しています。2023年に竣工した、医薬中間体製造棟を加え生産能力を増大させることで、さらなる医療ニーズとお客様からの新たな受託に対応できるようになりました。また、岩手工場では治験薬を含む原薬GMPに適合した、製造ラインを複数配備し、治験薬製造から商用製造まであらゆるスケールの要望にお応えすることができます。今後もお客様や医療ニーズに応え続け、研究開発から商用製造までをサポートしていくことで新たな医療ソリューション実現へ向け貢献してまいります。

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