炎症性腸疾患活動期の判定の補助に有用な体外診断用医薬品「ナノピアLRG」共同プロモーションの開始について

2020年04月20日

積水メディカル株式会社
EAファーマ株式会社

積水メディカル株式会社(代表取締役社長:久保 肇、本社:東京都中央区、以下 積水メディカル)とEAファーマ株式会社(代表取締役社長:松江 裕二、本社:東京都中央区、以下 EAファーマ)は、6月1日より炎症性腸疾患活動期の判定の補助に有用な体外診断用医薬品である「ナノピアLRG」(以下 本製品)の日本国内における共同プロモーションを開始することをお知らせいたします。

炎症性腸疾患は潰瘍性大腸炎とクローン病に大別され、寛解と再燃を繰り返す原因不明の難治性疾患であり、いずれも厚生労働省の指定難病に認定されています。炎症性腸疾患の治療では、寛解を維持することが非常に重要であり、再燃の兆候が認められた際に、早期に治療することで炎症の鎮静化を図ることが求められます。

本製品は、血清中のロイシンリッチα2グリコプロテイン(LRG)をラテックス免疫比濁法で測定することで、炎症性腸疾患の活動期の判定を補助する体外診断用医薬品です。測定検体は血清であり、汎用生化学自動分析装置により約10分間で検査結果を得ることができるため、迅速な病態把握が可能となり、早期治療判断の一助になるものと期待されます。

今回の共同プロモーション開始により、積水メディカルとEAファーマは医療従事者に対して本製品の適正使用の推進と情報提供をおこない、炎症性腸疾患の患者様やそのご家族のベネフィット向上に貢献して参ります。

「ナノピア」は積水メディカル株式会社の日本における登録商標です。

以上

<ご参考>

  1. LRGについて

    LRGは、ロイシンリッチリピートを持つ血清糖蛋白として1977年に単離された分子で、高知大学の仲(医薬基盤健康栄養研究所 上席研究員)らにより、2010年に新たな炎症性タンパクとして同定され、2012年に潰瘍性大腸炎において炎症部位の腸管上皮でLRGが産生されることが明らかにされました。また、医薬基盤健康栄養研究所、大阪大学、慶應義塾大学、東京医科歯科大学により、内視鏡で観察した腸管内の疾患活動性の状態を、血清LRG濃度が反映していたことが報告されています。

  2. 積水メディカルについて

    積水メディカルは、1947年の創業以来、「人々の健康と豊かな生活の実現に貢献する」ことを社是として、医療に関わるみなさまに様々な製品やサービスを提供し、検査・医薬・創薬支援・酵素の4つのメディカル領域を柱として国内外で事業展開しております。
    積水メディカルの詳細情報は、http://www.sekisuimedical.jpをご覧ください。

  3. EAファーマについて

    エーザイグループが60年以上取り組んでいる消化器事業と、アミノ酸をコアとする味の素グループの消化器事業が、2016年4月に統合して設立された、研究開発、生産物流、営業・マーケティングのフルバリューチェーンを有する消化器のスペシャリティ・ファーマです。
    EAファーマの詳細情報は、http://www.eapharma.co.jpをご覧ください。

本件についてのお問い合わせ先

  • 経営企画部 広報担当 sekisuimedical-hp@sekisui.com

語解説

ラテックス免疫比濁法
抗体をラテックス粒子に固相化し、検体中の抗原との抗原抗体免疫反応により、ラテックス粒子を凝集させます。この凝集に光を照射し、吸光度の変化を測定することで検体中の測定物濃度が求められます。
ロイシンリッチリピート
ロイシンは、ヒトの必須のアミノ酸の一つです。ロイシンリッチリピートは、ロイシンを主に疎水性残基を規則的に含む反復配列の構造です。
疾患活動期の判定方法
潰瘍性大腸炎は、内視鏡(Mayo内視鏡サブスコア*1)により評価を行い、Mayo内視鏡サブスコア0、1を寛解期、Mayo内視鏡サブスコア2、3を活動期としました。 クローン病は、疾患活動性スコア(CDAI*2)により評価を行い、内視鏡が施行された症例については、SES-CD*3を合わせて評価を行いました。CDAI150点未満を寛解期、CDAI150点以上を活動期とし、SES-CDは4点未満を寛解期、4点以上を活動期としました。
  1. *1Mayo内視鏡サブスコア:潰瘍性大腸炎の内視鏡スコア
  2. *2CDAI:Crohn's Disease Activity Index(クローン病の疾患活動性スコア)
  3. *3SES-CD:Simple Endoscopic Score for Crohn's Disease(クローン病の内視鏡スコア)