新生児スクリーニング検査の受託開始
2020年12月10日
積水メディカル株式会社
積水メディカル株式会社(社長:久保 肇、本社:東京都中央区、以下、「積水メディカル」)は、新生児スクリーニング検査用として乾燥濾紙血中のLSD(Lysosomal Storage Disease)関連酵素活性の測定、乾燥濾紙血中のTREC(T cell receptor excision circles)・KREC(kappa-deleting recombination excision circles)測定及び乾燥濾紙血中のSMN1(Survival of Motor Neuron 1)測定の受託を12月より開始することとなりました。
積水メディカルは、検査・医薬・創薬支援の3つのメディカル領域を柱として国内外で事業展開しております。今後も新しい検査技術や新規マーカー測定技術を積極的に導入し、特殊検査の受託にも取り組んで行く予定です。最新の検査をいち早く医療現場に提供することで、皆様の健康と医療技術の向上に寄与して参ります。
- 1ゾーム病(以下LSD)はライソゾーム内の分解酵素の遺伝的欠損により、未分解物質が大量に体内に蓄積して発症する疾患の総称です。疾患毎に欠損する酵素が異なるため、血液検体中の各酵素の活性値を測定することで、疾患のスクリーニング検査が可能となります。SMCLセンターでは、LSDのうち「ファブリー病」「ポンペ病」「ゴーLSD関連酵素測定
ライソシェ病」「ムコ多糖症Ⅰ型」「ムコ多糖症Ⅱ型」の5疾患に対するスクリーニング検査の受託を致します。 - 2TREC/KREC測定
TRECはT細胞の分化過程でT細胞受容体δ鎖をコードする部分が切り取られた環状DNAであり、KRECはB細胞の分化過程でκ鎖定常部分をコードする部分が切り取られた環状DNAです。このTREC及びKRECを測定することで、重症複合免疫不全症(SCID)、 抗体産生不全症の代表的なX連鎖性無ガンマグロブリン血症(XLA)、免疫不全を伴う毛細血管拡張性運動失調症(AT)などの原発性免疫不全症の新生児段階でのスクリーニングが有用であることが報告されています。 - 3SMN1測定
SMN1遺伝子は、脊髄中の運動ニューロンの機能を維持するために必要なSMNタンパクを産生します。脊髄性筋萎縮症(SMA)は、そのほとんどがSMN1遺伝子のホモ欠失に起因することが知られており、SMN1遺伝子を測定することでSMAの新生児段階でのスクリーニングが有用であることが報告されています。 - 4受託検査概要
受託項目 略称/受託コード 測定原理 検体種 乾燥濾紙血中のLSD関連酵素活性の測定
①αガラクトシダーゼA(GLA)
②αグルコシダーゼ (GAA)
③βグルコセレブロシダーゼ(ABG)
④α-L-イズロニダーゼ (IDUA)
⑤イズロン酸-2-スルファターゼ(IDS)①ファブリー:SMD001
②ポンぺ :SMD002
③ゴーシェ :SMD003
④MPSⅠ :SMD004
⑤MPSⅡ :SMD005タンデム
質量分析法濾紙血 乾燥濾紙血中のTREC/KRECの測定 TREC:SMD008
KREC:SMD009リアルタイム
PCR法濾紙血 乾燥濾紙血中のSMN1の測定 SMN1:SMD010 リアルタイム
PCR法濾紙血 ※いずれの検査も保険未収載(研究用)
お問い合わせ先
医療事業部 SMCLセンター