in vivo (標識化合物を用いた試験)

吸収

各種動物を用いた同一個体からの経時採血により血漿中総放射能濃度、未変化体濃度およびその代謝物濃度からファーマコキネティック・パラメーターを求め、排泄試験の結果と合わせて吸収率、線形性、バイオアベイラビリティー、性差を考察します。また、必要に応じて吸収部位について検討します。

血漿中薬物濃度

経口投与と静脈内投与もしくは吸収過程を無視できる投与方法を併用し、最高血漿中濃度(Cmax)、最高血漿中濃度到達時間(Tmax)、血漿中濃度時間曲線下面積(AUC)等の種々のパラメータを比較し、吸収速度、吸収率、バイオアベイラビリティを検討します。また、投与量との線形性も検討します。

吸収部位の検討

消化管ループ法による吸収部位の検討を実施します。

分布

薬物およびその代謝物の各種組織への分布、経時的変化、残留性ならびに血漿蛋白結合率を検討します。

組織内濃度、分布

Tmax、投与後24時間および排泄終了時を含む数ポイントで各組織内濃度の血漿中濃度に対する比とその経時的変化を検討します。残留性が高い組織については、化学的存在形態を検討します。

全身オートラジオグラフィー

分布の全体像、組織への蓄積性や組織内の放射能の局在を検討します。微細組織などへの放射能の局在も明らかにします。

血漿中蛋白結合率

各種動物の血漿および精製蛋白を用いて、限外ろ過法、平衡透析法あるいは超遠心法により検討します。

血球移行率の検討

各種動物の血液を用いて検討します。

代謝

薬物が動物体内でどの程度代謝されるか血漿、主要組織、排泄物を用いた代謝プロファイルを検討します。

代謝物分析法の確立

HPLC-RAD、高分解能LC-MSによる分析法を確立します。

検討項目
前処理法、抽出方法、HPLC分析条件、酵素加水分解処理

代謝物分析法の移管

お手持ちの分析条件をもとに、分析の再現性を確認します。

代謝物分析

血漿、尿、胆汁および組織中の未変化体および代謝プロファイルとその存在比率を検討します。

代謝物の構造解析

生体試料中の未知代謝物の構造を高分解能LC-MSにより推定します。

排泄

尿、糞、呼気および胆汁中排泄率を測定し、薬物およびその代謝物の排泄経路、吸収率、排泄速度について検討します。主排泄経路が胆汁の場合は腸肝循環についても検討します。

尿、糞、呼気中排泄率

原則として投与量の95%以上が排泄される時点もしくは投与後7日まで測定し、あわせて体内残存率の測定も実施します。

胆汁中排泄率

フリームービング法により、開発化合物の排泄経路、吸収率を検討します。

腸肝循環

主排泄経路が胆汁の場合には、胆汁中排泄物の再吸収率を検討します。

ヒト肝細胞キメラマウスを用いた薬物動態試験

ヒト肝細胞を有するPXBマウス等を用いて、候補化合物における薬物動態試験を実施し、ヒト特有の代謝物を検索します。

胎盤・胎児移行性および乳汁中分泌試験

妊娠ラットを用いて、器官形成期あるいは周産期における候補化合物の胎児移行性を組織分布(組織内濃度および全身オートラジオグラフィー)により検討・実施します。授乳中ラットを用いて、候補化合物の乳汁中への分泌試験を実施します。

反復投与試験

各種動物(ラット・イヌ・サル・ウサギなど)を用いて、候補化合物の投与期間中あるいは最終投与後における血漿中濃度・尿、糞、呼気中排泄・全身オートラジオグラフィー・組織内濃度を測定することによって、候補化合物の蓄積性・残留性を検討します。

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