ストーリー

見えない病を発見し、
明日の笑顔を生み出すために

どれだけ医療が進化しても、いまだに完全な治療法がない病気があります。
私たちは“治せない病気はないはずだ”。
こういった想いから、治療の前段階にある「検査」の価値を高め、治療の効果を最大化し、
病魔に打ち勝つ可能性を少しでも高めるために日々取り組みを進めています。

治療は“検査”から始まっている

日本では新生児が生まれた際に、生まれつき抱える疾患を調べるための新生児スクリーニング検査が実施されています。現在、この検査では20種類の疾患が検査されており、スクリーニングにより、病気が発見された子どもたちは、適切な治療を受けることができています。しかし、希少疾患に対してはまだまだケアが行き届いていないのが現状です。
私たちは、これまでの歴史で培った臨床検査を通じて、子どもの成長に関わるサポートをしたい。その想いから、希少疾患をスクリーニングする研究用試薬を国立成育医療研究センターと共同開発。拡大新生児スクリーニング検査として、研究機関や病院、自治体で普及を始めました。検査を通じて、希少疾患の早期発見・早期治療を実現し、症状の回復や重症化を防ぐことで、救える命を救うことはもちろん、その後の人生のQOL向上へ貢献しています。

拡大新生児スクリーニング検査と
積水メディカルのサービス

拡大新生児スクリーニング検査とは?

近年、新たな治療薬の開発により、発症前に病気を見つけ、早く治療すれば予後が改善できるような疾患を対象に、新たな新生児スクリーニング検査として、拡大新生児スクリーニング検査が開始されています。

積水メディカルの提供サービス

当社では現在、拡大新生児スクリーニング検査の受託、試薬販売の2つを提案しています。受託では、検査センターから検査依頼をいただき、当社で臨床検査を実施しています。試薬販売では、自社開発品を医療機関へ販売しています。受託と販売の二刀流を実施しているのは業界でもわずかで、多くの医療機関、検査センターから信頼をいただいています。

対象疾患
試薬販売、
受託
  • 原発性免疫不全症
  • 脊髄性筋萎縮症
受託
  • ライソゾーム病(ファブリー病、ポンぺ病、ゴーシェ病、ムコ多糖症Ⅰ型・Ⅱ型、など)

早期に発見しないと
命に関わる疾患だからこそ

SMA治療タイミングと運動機能

当社では現在、原発性免疫不全症と脊髄性筋萎縮症の2疾患を同時にスクリーニングする検査キットを開発・販売しています。これらの疾患は、原発性免疫不全症が出生1万に対して1人、脊髄性筋萎縮症の有病率は10万人あたり1~2人、出生2万人に対して1人の発生率で、早い段階で疾患を見つけて適切な治療を行うことが治療効果を最大化するために重要だとされています。そのため、新生児のタイミングで検査を行い、疾患を発見することが今後の乳幼児の人生を大きく左右すると言っても過言ではありません。

より早く、正確に
検査結果を出すために

希少疾患のため、他の疾患と比較すると検査や治療にはより多くの時間がかかります。そのため、できるだけ早く・正確に検査結果が判明することが求められます。従来のスクリーニング検査では乳幼児から血液を採取し、そこからDNAを抽出。抽出したDNAをPCR法で疾患の遺伝子があるか検査をしていました。しかし、このDNA抽出は技術的にハードルが高く、抽出用の資材も必要になるため、時間とコストがかかっていました。また、工程が増えることでミスが発生する可能性も高くなります。そこで、当社はこのDNA抽出作業を省略。血液から直接検査できる検査法を開発し、検査時間を半分程度にすることに成功しました。同時に工程削減により、ミスのリスクと検査コストを低減。検査の正確性とコスト面から検査のハードルを下げ、より多くの新生児に本スクリーニング検査を普及させることに成功しました。

スクリーニング検査から
すべての人々の健康と
社会に貢献する

積水メディカルのミッション「世界の人々のQOLを向上するために、科学の力で最適なソリューションを提供する」。これを私たちの使命として捉え、本領域においてもスクリーニング検査を通じて、成人や高齢者の健康にも貢献したいと考えています。すでに技術の開発は進んでおり、認知症検査など、技術を活かしてさまざまな疾患をスクリーニングする検査と、関節リウマチや、骨粗鬆症の治療効果診断(測定)の検査を提供しています。治療は“検査”から始まっている。検査を通じて人々の健康な生活に貢献するとともに、早期発見により、治療コストを下げ、患者さんのご家族と社会的な課題である医療費の削減にも貢献しています。今後も、当社が提供する製品・サービスを通じて、患者さんとそのご家族、社会全体に価値を提供できるように検査領域の拡大、効率向上を突き詰めていきます。

「すべての人々の健康」に寄与する 新生児 成人 高齢者 SMCL領域展開 新生児 Child Health Care 拡大新生児スクリーニング検査の受託・販売を提案いたします 高齢者 MCIスクリーニング 認知症関連検査を受託しております 成人 受託検査 骨粗鬆症やリウマチなどの検査をいたします 受託研究 新規マーカーや研究的測定など対応いたします
Voice医療現場の声
新潟大学医歯学総合病院
小児科 / ゲノム医療部遺伝医療センター
入月 浩美 先生

新生児とご家族の人生を
最良なものとするために

拡大新生児スクリーニング検査が対象とする希少疾患は早期発見・早期治療が重要であり、新生児はもちろん、そのご家族にとっても非常に大きな意味があります。私は臨床医として、スクリーニング検査をきっかけに見つかった重症免疫不全症やライソゾーム病の新生児に出会い、早期の医療介入によってその後も健やかに成長している姿を目にして、本検査が持つ価値や意義を日々強く認識しています。また、スクリーニング検査の結果が新生児にとどまらずにご家族の健康管理にもつながる場合があるなど、検査が持つ価値はとても広いと捉えています。一方、新生児のご家族や実際の医療現場に対する検査の浸透はこれからの大きな課題であり、検査を実施している地域や医療機関に格差があることも事実です。今後、本検査の理解促進を通じて、一人でも多くの新生児が検査を受けられるよう、積水メディカルさんと取り組みを加速していきたいと強く思います。