CHC(Child Health Care)の取り組み
積水メディカルは、臨床検査を通じて、妊娠期から次世代の健全な成長をサポートする取り組みを行っています。

1. 新たに治療法が見出された疾患の検査法確立
高度な技術により検査キット開発・検査の受託を通じて希少疾患の診断に貢献する
2. 国内外医療施設への検査技術の提供
少しでも多くの人たちに必要な検査を受けてもらうために、国内外へ積極的に展開
3. 希少疾患の診断・治療等の普及活動サポート
国立成育医療研究センターとの包括提携契約および国内外のアカデミアとの連携
拡大新生児スクリーニングの取り組み
SMCLセンターでは2020年12月より、乾燥濾紙血中のLSD(Lysosomal Storage Disease)関連酵素活性の測定、乾燥濾紙血中のTREC(T cell receptor excision circles)・KREC(kappa-deleting recombination excision circles)測定及び乾燥濾紙血中のSMN1(Survival of Motor Neuron 1)測定の受託をしております。
近年、新しい治療薬が開発されているため、拡大新生児スクリーニングとして新生児期に濾紙血を用いて検査を行うことで、早期発見・早期治療に繋げることが可能となります。
- 1LSD関連酵素活性測定
ライソゾーム病(以下LSD)はライソゾーム内の分解酵素の遺伝的欠損により、未分解物質が大量に体内に蓄積して発症する疾患の総称です。
疾患毎に欠損する酵素が異なるため、血液検体中の各酵素の活性値を測定することで、疾患のスクリーニング検査が可能となります。
SMCLセンターでは、LSDのうち「ファブリー病」「ポンペ病」「ゴーシェ病」「ムコ多糖症Ⅰ型」「ムコ多糖症Ⅱ型」の5疾患に対するスクリーニング検査の受託を致します。 - 2TREC/KREC測定
TRECはT細胞の分化過程でT細胞受容体δ鎖をコードする部分が切り取られた環状DNAであり、KRECはB細胞の分化過程でκ鎖定常部分をコードする部分が切り取られた環状DNAです。
このTREC及びKRECを測定することで、重症複合免疫不全症(SCID)、抗体産生不全症の代表的なX連鎖性無ガンマグロブリン血症(XLA)、免疫不全を伴う毛細血管拡張性運動失調症(AT)などの原発性免疫不全症の新生児段階でのスクリーニングが有用であることが報告されています。 - 3SMN1測定
SMN1遺伝子は、脊髄中の運動ニューロンの機能を維持するために必要なSMNタンパクを産生します。
脊髄性筋萎縮症(SMA)は、そのほとんどがSMN1遺伝子のホモ欠失に起因することが知られており、SMN1遺伝子を測定することでSMAの新生児段階でのスクリーニングが有用であることが報告されています。
受託検査概要
受託項目 | 略称/受託コード | 測定原理 | 検体種 |
---|---|---|---|
乾燥濾紙血中のLSD関連酵素活性の測定 ※1 ①αガラクトシダーゼA(GLA) ②αグルコシダーゼ(GAA) ③βグルコセレブロシダーゼ(ABG) ④α-L-イズロニダーゼ(IDUA) ⑤イズロン酸-2-スルファターゼ(IDS) |
①ファブリー:SMD001 ②ポンぺ:SMD002 ③ゴーシェ:SMD003 ④MPSⅠ:SMD004 ⑤MPSⅡ:SMD005 |
タンデム 質量分析法 |
濾紙血 |
乾燥濾紙血中のTREC/KRECの測定 | TREC:SMD008 KREC:SMD009 |
リアルタイム PCR法 |
濾紙血 |
乾燥濾紙血中のSMN1の測定 | SMN1:SMD010 | リアルタイム PCR法 |
濾紙血 |
- ※1項目の組み合わせ等については別途ご相談ください。
- ※いずれの検査も保険未収載(研究用)
拡大新生児スクリーニングの体制について
産科医療機関、検査を行うマススクリーニングセンター、精密検査、確定診断、治療を行う大学病院等の拠点病院との施設間連携体制の下、
各地域で実施されております。
SMCLセンターでは各施設、先生方と連携し、拡大新生児スクリーニングの受託、販売提案をいたします。

SMCLセンターでは、新生児マススクリーニング用測定試薬、拡大新生児スクリーニング用測定試薬も取り扱っております。
詳細はNeoSMAAT、NeoSMAAT T/K/Sをご確認ください。
「NeoSMAAT」「NeoSMAAT T/K/S」は積水メディカル株式会社の日本における登録商標です。
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